2023年6月27日

MHC会報 vol.4(1)

MHC会報 vol.4(1)発行によせて

 会報第41号を発行しました。若い年齢人口の減少にともない、学生を集めようとする各大学間競争が激化しています。同時に、集客率がありそうな名称の新学部をつくる動きが盛んです。従前にあった学部では学生が集まらなくなれば、教員はほとんどそのままで、スクラップ&ビルドが実行されます。「新しい革袋に、新しい酒を…」と称しますが、新しい教員はほとんどいなくて、大半が従前教員のままで、学生だけが新しいのです。

 私学の創設時点には、大きな理念がありました。そして、この理念に沿った開講科目をそろえました。現状の新設学部開講時、文科省が指示する最低数の教科をとりそろえるような考え方はしませんでした。いま大学人は、本来の建学の原点にもどって考えるべき時期にきています。金時飴みたいな学部群はもう結構です。このことを念頭に、巻頭言「大学院連合メンタルヘルスセンターの教育-“公”と“私”-」を記してみました。産業安全のこばなし()では、60余年前、コンプライアンス違反から出た公害問題の森永ヒ素ミルク事件について触れてみました。